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内区を四等分、外区を十二等分する割(わ)り子(こ)状の幅の広い区画凸線を鋳造で表し、内区に四神、外区
に十二支を彩画で描き、上にガラスを嵌(は)め込んだ鏡。
現状では彩画もガラスもほとんど剥落、脱落して残らず、わずかに内区・外区のひとつずつが残存 するのみで、文様の細部もほとんど不明である。鈕の上にも同様の装飾があったものと思われる。
内区に四神文、外区に十二支文を鋳造で鋳出した鏡は初現期の隋唐鏡として数多く見受けられるが、 このような手の込んだ装飾技法で四神十二支文を表す鏡は、ほかに・例を見ない。往時の華やかな色
彩と、青銅では表現できない量感・質感は、螺鈿(らでん)鏡やNo.37 のような貼金(ちょうきん)鏡に勝るとも劣らない装
飾効果を発揮していたことであろう。
時代は隋よりも若干溯る可能性もあるとするのが、近年の見解であるが、いずれにせよ6世紀後半 のものである。 |
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