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中央の鈕の回りに幅の広い素文(そもん)の環状帯がめぐり、その周囲を8つの大きな半円形状の弧を連ねた
連弧(れんこ)文がとりまいている。連弧の周囲にぶつぶつと拡がって見えるものは、4匹の龍の文様で、胴体 は下側部分が一段低くなる二段構造をとり、体の節々の巻きこみの先端が上に向って鋭く尖っている。
弧の内側の1つおきに、大きく口をあけた左向きの龍の頭と前足の表現が認められる。
このような龍の文様は、殷代から続く殷周青銅器の主要モチーフを受けついだものと思われ、以後 前漢前期までの鏡では龍文が鏡の文様の主流となっていた。鏡の文様に限らず、前漢に入っての50年
ほどの間の文化には戦国期の文化の遺風(いふう)が色濃く認められる。
全面に赤銹(あかさび)が広がり、ふつうの緑青(りょくしょう)色の銅銹とはまた異った味わいをかもし出している。 |
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