古鏡展
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貼金緑松石象嵌花唐草文鏡さん猊十二支方鏡団華文鏡パルメット鏡四獣十二支鏡海獣葡萄鏡海獣葡萄鏡海獣葡萄方鏡仙人騎馬鳥獣八稜鏡
双鳳双獣八稜鏡
双鸞さん猊天馬文八稜鏡
狩猟文八稜鏡
盤龍鏡
貼銀鍍金飛禽唐草六花鏡
貼銀禽獣唐草八稜鏡
双鶴対鴛鴦文八稜鏡
月宮図八稜鏡
高士弾琴八稜鏡
孔子・栄啓奇問答鏡
連生貴子文八花鏡
鳳凰文鏡
八卦十二支文鏡
 
団華文鏡
団華文鏡
著しく図案化して構成された植物系文様である団華(だんか)文6つを並べた鏡。団華文は葡萄唐草(ぶどうからくさ)文などとともに西方伝来の文様で、花弁(かべん)を上から見た形を細密かつ極めて繁縟に表している。間にはパルメット中心飾風の文様が入る。文様の多くが、断面三角形状に尖った浮彫で表わされ、鈕座の周囲と団華 の円周部にも細かい放射線状の細線が密集しているため、非常にとげとげしい印象を与えている。
後述の海獣葡萄鏡も含めて、西方伝来の文様を主文とする鏡が初唐代に出現してくる事実は、漢式鏡が有していた極めて強い思想的背景が隋唐鏡においては次第に稀薄なものに変化していたことを 窺(うかが)わせる。外区の銘も純粋に鏡の機能の良さを讃えるもので、思想性を脱却しているさまが明瞭にうかがえる。

パルメット鏡
パルメット鏡
全体の様式としては完全に団華(だんか)文鏡の新しいタイプにのっとっていながら、内区の文様が違ってい る。両側に巻葉(まきば)を伴なったいわゆる全パルメット文を4つくり返し、その中間にもパルメット中心飾 と同一の文様と小型の巻葉をはさんでいる。巻葉の形はむしろ初現的なアカントスの葉の形を思わせ る古典的な表現をしていて、西方伝来の文様要素である。この文様は本来は団華文鏡の外区や内区の 充填(じゅうてん)文様として頻繁に用いられる文様である。
団華文鏡の場合も、外区は12 分割の例が多いが、本鏡は例外的な10 分割で、このため、4分割な いし8分割の内区文様とは整然とは文様が合わなくなっている。海獣葡萄鏡とともに唐文化の国際的 性格を最も如実に表した鏡といえよう。管見の限り類例を知らない。




     
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