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盤龍鏡
貼銀鍍金飛禽唐草六花鏡
貼銀禽獣唐草八稜鏡
双鶴対鴛鴦文八稜鏡
月宮図八稜鏡
高士弾琴八稜鏡
孔子・栄啓奇問答鏡
連生貴子文八花鏡
鳳凰文鏡
八卦十二支文鏡
 
貼銀禽獣唐草八稜鏡
貼銀禽獣唐草八稜鏡

海獣葡萄鏡と同一の伏獣鈕の周囲に、大きな四葉座を思わせる形に蔓草がめぐり、葉をつける。この四葉形蔓草の中に鳥2羽と獣2頭が入る。周囲には鏡縁の形と同形の・帯がめぐる。地の魚々子(ななこ)は ・鏡と異なって極めて密に打ち連ねられており、鏡の印象を異なったものにしている。
鳥・獣の足の一部と、小鳥のついばむ蔓草は、下部が空洞になって透(すか)されている。この部分は打ち 出しによる文様ではなく、後の部分溶接(ようせつ)と思われる。同様の表現がNo.49 などの盛唐期の青銅鏡の 鋳出し文様にも見られる点が興味深い。
鳥・獣も含めて文様自体は・鏡に見られるものと同巧であるが、銀板の打出しも高く、表現も鋭く かつ精緻で、鏡縁の八稜形も小型鏡には珍しく、小型貼銀(ちょうぎん)鏡中の優品と言える。


双鶴対鴛鴦文八稜鏡
双鶴対鴛鴦文八稜鏡

鈕の左右には、蝶結びに結(ゆ)わえた長い綬(じゅ)を嘴(くちばし)に銜(くわ)えて飛ぶ仙鶴、上下には、四角い結節(けっせつ)をつけ、先を輪状に結んだ綬を両側から銜える一対の鴛鴦(えんおう)が描かれる。間には蓮の花と葉を曲がりくねった蔓が結ぶ蓮華唐草文が描かれる。仙鶴の羽根や鴛鴦の姿態の表現も・鏡に比較して極めて写実的で生き生 きとしており、蓮の花にも俯瞰形のものや側面形のものを交えて多彩なアクセントがつけられている。 外区の八稜形には、花に戯れる小鳥・蝶と、蓮の花が交互に描かれる。
丁寧な作行、鶴・鴛鴦という吉祥の鳥類、すべて一対でしかも対称法的な描写法を用いる表現方法は、婚姻調度用の誂(あつら)え品の可能性を強く考えさせる。直径も大きく、鏡も乏しく、貴顕(きけん)の家からの特別注文の品と思われる。





     
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