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双鸞さん猊天馬文八稜鏡
狩猟文八稜鏡
盤龍鏡
貼銀鍍金飛禽唐草六花鏡
貼銀禽獣唐草八稜鏡
双鶴対鴛鴦文八稜鏡
月宮図八稜鏡
高士弾琴八稜鏡
孔子・栄啓奇問答鏡
連生貴子文八花鏡
鳳凰文鏡
八卦十二支文鏡
 
月宮図八稜鏡
月宮図八稜鏡

月中に存在すると当時の人々に考えられていた事物を網羅(もうら)して描いた鏡。亀形の鈕の右上には月桂樹(げっけいじゅ)(月に生える桂の木)、左上には右手に葉のついた果実を乗せた盤、左手に「大吉」の文字の入った札を持ち、衣を翻(ひるがえ)して飛ぶ仙女が描かれる。西王母の不老長生の桃の実を盗んだ嫦娥(じょうが)が月に逃れる 「嫦娥奔月(じょうがほんげつ)」の故事の表現と考えられる。左下には仙薬を搗(つ)く玉兎(ぎょくと)、右下には跳びはねる蟾蜍(せんじょ)がいる。 中国古代神話では、玉兎・蟾蜍は共に月中に住むとされる。全てが月に係わる図像である。外区には、 霊芝雲と花に戯れる蝶が交互に描かれる。
民間の故事が鏡の文様となることは、唐も最盛期を過ぎるころからしばしば認められるようになる。これに呼応して鏡背の文様もすべてを一方向からのみ見るスタイルのものに変化して行き、文様が絵 画表現的なものに変質していく契機をもたらすこととなった。


高士弾琴八稜鏡
高士弾琴八稜鏡

鈕の左右には、蝶結びに結(ゆ)わえた長い綬(じゅ)を嘴(くちばし)に銜(くわ)えて飛ぶ仙鶴、上下には、四角い結節(けっせつ)をつけ、先を輪状に結んだ綬を両側から銜える一対の鴛鴦(えんおう)が描かれる。間には蓮の花と葉を曲がりくねった蔓が結ぶ蓮華唐草文が描かれる。仙鶴の羽根や鴛鴦の姿態の表現も・鏡に比較して極めて写実的で生き生 きとしており、蓮の花にも俯瞰形のものや側面形のものを交えて多彩なアクセントがつけられている。 外区の八稜形には、花に戯れる小鳥・蝶と、蓮の花が交互に描かれる。
丁寧な作行、鶴・鴛鴦という吉祥の鳥類、すべて一対でしかも対称法的な描写法を用いる表現方法は、婚姻調度用の誂(あつら)え品の可能性を強く考えさせる。直径も大きく、鏡も乏しく、貴顕(きけん)の家からの特別注文の品と思われる。





     
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