古鏡展
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蟠ち文鏡彩画狩猟・樹下遊楽図文鏡羽状文地四葉文方鏡雷文鏡半肉彫龍文鏡星雲文鏡重圏銘帯鏡
方格規矩四神鏡
方格規矩四神鏡
方格規矩文鏡
細線獣帯鏡
半肉彫神仙獣帯鏡
盤龍鏡
き鳳文鏡
神人歌舞画像鏡
神人龍虎車馬画像鏡
四獣画像鏡
神人騎馬画像鏡
狩猟文画像鏡
孝子伝図画像鏡
伯牙弾琴龍虎鏡
建安十年重列神獣鏡
重列神獣文鏡
環状乳神獣鏡
三段式神仙鏡画文帯同向式神獣鏡
 
細線獣帯鏡
細線獣帯鏡
鈕の回りに変形唐草(からくさ)文帯がめぐり、これによって上下幅を挟められた内区を7等分して、細線(さいせん)表現 の文様7つを収めている。玄武を含めた四神が揃い、他は四足獣、青龍と向かいあう仙人(養龍(ようりゅう )氏?) と青龍とは別個の龍である。外区には方格規矩四神鏡と同巧の流雲文(りゅううんもん)帯がめぐる。
細線獣帯鏡の文様は、四神に他の文様を付加したものが多く、表現も細突線で、外区や銘文も含め て全体として方格規矩四神鏡に極めて近い。特に円圏(えんけん)規矩鏡をはじめ、両者の中間的な文様構成の鏡 があり、恐らくは方格規矩四神鏡が内含(ないがん)している思想内容の別個の表現形態が細線獣帯鏡であったこ とが考えられる。
永平7年(A.D.64)の紀年鏡があり、方格規矩四神鏡と併行しつつ、中期まで継続した型式と考えら れる。日本でも伝仁徳天皇陵古墳ほか、古墳からの出土例が多数ある。

半肉彫神仙獣帯鏡
半肉彫神仙獣帯鏡
ドーナッツ状の内区に浮き彫りの神仙・獣をぐるりと配した鏡。龍と、これに霊芝草(れいしそう)を与えようと する神仙、虎、一角獣(麒麟(きりん)か?)、鳳凰、熊が描かれる。玄武は見当たらないが、龍・虎・鳳凰は四 神のうちの青龍・白虎・朱雀の表現の可能性がある。外区には、龍・魚・亀・水牛などのほか、三足烏(さんそくがらす)・九尾狐(きゅうびぎつね)・蟾蜍(せんじょ)などの西王母(せいおうぼ)の眷属(けんぞく)にあたる動物たちが平彫(ひらぼり)で描かれている。
これらはいずれも現実世界の生き物ではなく、神仙の住まう天上界の霊獣達であり、漢代の人々が 死後に住みたいと願望した、憧れの理想世界の表現でもあった。四神思想が次第に神仙思想に移り変 わって行く過渡期にあたる時期の鏡で、西王母を中心とした神仙思想の表現は、当初は中心人物であ る西王母自体をほとんど描かずに、周辺の霊獣達からその存在を連想させるような形で行われていた。




     
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