大きな鈕の回りの環状のスペースを4等分して、狩猟の場面が描かれている。写真下のスペースに
は2頭立ての天蓋(てんがい)のない戦車風の馬車が見え、右にたづなを執(と)る御者(ぎょしゃ)、左に三山冠(さんざんかん)を被(かぶ)る主人の姿が
あり、後ろには2本の矛(ほこ)が突き出ている。よく見ると主人の左右の肩が盛り上って羽毛(うもう)の形に表現されており、この人物が通常の人間ならざる神仙であることが理解できる。東王公の可能性がある。
残りの3区画では騎馬の人物が、駆ける馬の上から獲物(えもの)の動物を弓矢や矛でしとめようとしている。 馬上から後ろを振り向いて弓を射る人物が2人いるが、これはパルチアンショットと呼ばれる独特の
射法で、古くはペルシャ王がライオンをしとめる勇壮な場面などにも見られる。
画像鏡には狩猟の光景を描いた例もかなり見受けられるが、このように内区全体を狩猟の場面で埋 めることは稀有と言える。
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